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「Tales of Kenzera: Zau」のクリエイティブディレクター、Abubakar Salim氏とのQ&A

初のビデオゲームをリリースし、俳優からクリエイティブ・ディレクターへと転身し、自らの人生を芸術に注ぎ込みました。

2024年5月28日

Abubakar Salim氏はアーティストです。彼は共感的で、知的で、思慮深いリーダーであり、創造力の塊です。そういった特徴は、リドリー・スコット監督「ナポレオン」やHBO製作「ハウス・オブ・ザ・ドラゴン」などで知られるハリウッド俳優であり、 Surgent Studiosの創設者兼クリエイティブ・ディレクターである彼にとって大きな力となりました。

そして2024年4月24日、長年にわたる開発、計画、周到な準備を経て、Salim氏は初のビデオゲームであるEA Originals「 Tales of Kenzera: Zau」をPlayStation 5、PC、Nintendo Switch、Xbox Series X/Sでリリースしました。

私たちはSalim氏に、初のビデオゲームの製作いう極めて個人的かつユニークな想像の旅について、また俳優としての活動とSurgent Studiosを率いることの両立について、そして自らが抱える悲しみをいかにして美しい芸術作品に昇華させたかについて、じっくりと話を聞くことができました。

今日は、お時間をいただいてありがとうございます。つい先日「Tales of Kenzera: Zau」がリリースされましたね。調子はどうですか?

疲れていますね。疲れていますね。(笑)でも、同時にワクワクしています。変な感じですね。とても不思議なもので、このゲームは自分が長い間育ててきた子供のようなものなので、それを世界に放つのは、子供を独り立ちさせるような気持ちです。それに、一度リリースしたら、もう振り返ることはできませんからね。もう、自分でどうこうできることではないので、ただ、プレイヤーの皆様に委ねるしかありません。だから、高揚感と興奮、そして恐怖という奇妙な組み合わせの感覚ですね。なんせ、長い間かけて作った個人的な作品ですから。でも、ついにリリースされたので、今ではどっしり構えています。

「これは、自分の心のかけら、自分の思想や夢を作品に捧げて他者に与える行為なのです」

本作が彼にとって、どれほど個人的な作品なのか聞いてみました。あなたは昔からビデオゲーム、映画、テレビ番組の俳優として活躍してきました。しかし、ご自身の物語とゲームを制作するのは今回が初めてでしたよね。それは、どんな経験でしたか?

そうですね。俳優が映像作品に参加する段階では、裏方の仕事が大半終わってからの場合が多いです。作品づくりの途中から加わり、演技が終わったら、残りの過程は他人に任せます。もちろん、役者は作品の芸術性とストーリーテリングに敬意を払っていますが、ゼロから自分でゲームを作り上げるのが演技と決定的に違うのは、自分自身の一部をプレイヤーたちに捧げるという点です。ある意味、自分の心のかけら、自分の思想や夢を作品に捧げて他者に与える行為なのです。

俳優とディレクターの両立は、どうこなしました?本作を作っている間も、役者を続けていたそうですが、どんな感じでしたか?

スタジオを運営しながらも俳優業を続けて本当に良かったのは、それぞれの職業がお互いを補ってくれたことです。それぞれが影響し合って、良い生活バランスが保てました。要するに、片方の仕事では指示に従って動き、もう片方では自分が自発的に行動します。

こういった、2つの異なる視点を持ちながら、日々をこなしていったのです。その結果、それぞれの創作活動が互いに刺激し、糧となり、さまざまな方法で私の創造を手助けしてくれました。 

ゲーム制作においても、ドラマや映画においても、自分自身のクリエイティビティが発揮できるような感覚があったのは良かったですね。たとえば、私は役者モードのときは、夢中でセリフを覚えようとすることがあります。しかし、そうすると、自分の頭の中でセリフのイメージが完全に出来上がってしまうため、本番でそれ以外の言い方ができなくなっちゃうのです。しかし、本番で失敗しないためにひたすら自分のセリフを覚えるよりも、相手の役者さんのセリフに耳を傾けるほうが、演技することが楽しくなります。そのほうが実際、より自発的かつナチュラルな演技になります。それにより、現場での撮影がもっと刺激的でエキサイティングになりますね。 

スタジオを設立した際には、そういった感覚を大事にしようと思いました。そのため、​私の中で作りたい作品のイメージが完全に出来上がっていて、その作品をみんなに作らせることよりも、大まかなアイデアがある状態で仲間たちの意見を大事にして、共にクリエティブになれるような環境作りを目指しました。

「仲間たちの意見を大事にして、共にクリエティブになれるような環境作りを目指しました」

とても興味深いですね。まるで、ダムを作ろうとするよりも、いきなり川に飛び込んで流れに身を任せたように聞こえます。

そうですね。ダムを作ることは、状況をコントロールしようとすることですけど、川の流れに身を任すほうが、自由な創作活動のように感じます。そして、それこそが正しい姿勢だと思います。今まで手応えのあった創作物は、すべてそういったプロセスで行ったものですね。それに、私自身が何かピンと来なかったり、しっくりしないときは、それを見たり遊んだりする人々も同じ違和感を覚えると思いますね。世の中は私たちに、常に状況をコントロールするようにと言いますが、実際には、コントロールできないことを受け入れたほうが、より多くの自由があり、逆により多くのことをコントロールできることに気づきました。(笑)

「プレイヤーが実際に主人公と同じ体験ができるのは素晴らしいことだと思いますね」

すばらしい。それでは、この物語を伝えるための媒体としてビデオゲームを選んだ理由について聞かせてください。なぜ、映画やテレビ、本ではなくて、ゲームにしたのでしょうか?

私の場合は、オーディエンスに私と一緒に冒険してもらいたかったからです。従来なら物語の観客である人々に、パッドやコントローラーを渡して、「ねぇ、この物語を進めるのはキミなんだよ」と委ねるという行為は、 

とても魅力的なことだと思います。本作はプレイヤーにとってだけでなく、私たちにとっても悲しみの旅です。そして、ジャンルは絶対にメトロイドヴァニアである必要がありました。なぜならば、そのジャンルこそが悲しみを表現できるからです。だって、プレイヤーを未知の世界に放り込んで、彼らにその世界に慣れてもらう課程が発生するからです。そして、プレイヤーはコントローラーを手に持つたびに、その世界へと放り込まれます。彼らは、その冒険がどこに行くのが、何が起こるか、まったくわからないのです。 

そのように、プレイヤーが実際に主人公と同じ体験ができるのは素晴らしいことだと思いますね。そして、プレイヤー自らがその世界の一部とならなければ物語が進まないため、ある意味、映画やドラマが提供できることを超えているとも言えるでしょう。

 

物語と言えば、本作は、ズベリッというキャラクターがザァオの物語を読み、それをプレイヤーが演じるといった、メタ的なストーリーテリングが特徴です。どうして、こういった形にしたのでしょうか?

私にとって大事だったのは、悲しみとは時を超越するものだとという考えを捉え、示すことでした。文字通り「死の神」が存在する世界にいたとしても、現代の我々と同じように、愛する人を失ったらひどく悲しむことでしょう。なんせ、悲しみは時間を超越するものです。

「私は昔から、最も魅力的なキャラクターは、人間らしさを感じさせるキャラクターだと思ってきました。つまり、欠点のある人物たちのことですね」

ザウは実に魅力的な主人公でしたが、彼のキャラクター作りについて教えてください。彼は若きシャーマンとして、人々の精神的指導者でありながらも、父を亡くしたばかりで悲しみに打ちひしがれています。また、カッとなりやすい性格で、軽率だったり、とっさな行動をとることが多く、よく自分自身にがっかりしています。

そういった性格もリアルだと感じます。私は昔から、最も魅力的なキャラクターは、人間らしさを感じさせるキャラクターだと思ってきました。つまり、欠点のある人物たちのことですね。彼らは器用にすべての人間と仲良くなれたりはできません。 

父を亡くした後、自分のルーツを振り返り、作品に反映しました。そして負の感情をオフにして、「仕方ない。生き続けるか」って感じにね。でも、それにより、私は多くの人たちから、そして自分自身からさえも、感情的に離れてしまいました。しかし、ザァオが怒りと悲しみを抱える中、他者のために良いことをしたいという気持ちで冒険をしていたら、それはリアルじゃなかったと思います。だからこそ、こういった物語にしました。 

ほら、悲しみって孤独じゃないですか。不思議と自己中心的な気持ちというか。私は、彼が味わっているその感情こそ本作で強調したかったのです。若者であるザァオをきちんと描こうと思ったからこそ、彼にそのような経験をさせました。

「…EA Originalsプログラムがなければ、この多くは実現できませんでした」


EAはクリエイター、イノベーター、そしてストーリーテラーたちが集う会社です。私たちは、世界中の何百万人ものプレイヤーとファンのために、深く没入感のある体験を提供することに専念しています。だからこそ、本作「Tales of Kenzera: Zau」の制作とリリースにおいて、Salim氏とSurgent Studiosをサポートできることをとても誇りに思っています。Salim氏のクリエイティブな旅は、イノベーションと卓越性を追求し続けるEAそのものの軌跡を反映しているといえるでしょう。私たちは、彼が父親に敬意を表して作ったこの作品を支援できることを誇りに思い、すべてのプレイヤーたちのために、より大きく、より大胆で、より優れたインタラクティブ・エンターテインメント体験を目指して、今後も彼と共に歩んでいくことを楽しみにしています。

私たちの仲間になりませんか?EAの一員になり、革新的な開発を続け、誰もが楽しめる安全でインクルーシブなオンラインプレイを共に実現しましょう。また、エミー賞を受賞し、世界的に有名な作曲家Nainita Desai氏による本作の音楽制作の過程もご紹介しています。 

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